➤「じゃがいも」の育て方・栽培方法が知りたい人
➤「じゃがいも」の栽培時期・期間が知りたい人
➤「じゃがいも」の芽かき・追肥・花の扱い・収穫方法などが知りたい人
Contents
【じゃがいも】育て方・栽培方法|芽かき・追肥・花の扱い・収穫方法など
「じゃがいも」を育てるポイントは何だろう?
こういった疑問に答えます。
基本情報
【主な品種】男爵薯、とうや、キタアカリ、メークイン、ニシユタカ、シンシア など
【主な性質】涼しい気候を好み、高温下、低温下では生長しない。過湿に弱く、排水性がよい土を好む。玉ねぎ同様、貯蔵性が高い。種いもから育てるのが一般的
【肥料タイプ】先行逃げ切り型
【適正pH】5.0 ~ 6.5
【プランターサイズ】深型タイプ(深さ30cm以上)
【注意する病気】そうか病、モザイク病、疫病 など
【注意する害虫】ニジュウヤホシテントウ、ヨトウムシ など
栽培スケジュール

種のまき方

はじめに
どうも!こうきです。
貯蔵性が高く、年中家庭に置いてあるじゃがいも。
カリウムやビタミンCが豊富でコロッケやフライドポテト、など多くの料理に使用されます。
今回はそんなじゃがいもの育て方・栽培方法について解説します。
栽培のポイントをまとめた実務記事です。この記事を通して、立派な作物を育てて欲しい。
そんな気持ちで執筆しました。参考になれば幸いです
それでは解説していきます!
※わからない単語があれば下記記事で調べることができます。
農業・家庭菜園を取り組む際に出てくる用語を解説する用語集です。分からない単語があれば随時使用してください。参考になれば幸いです。※随時追加していきます。
【じゃがいも】育て方・栽培方法|芽かき・追肥・花の扱い・収穫方法など
1.じゃがいもの主な品種・性質
2.じゃがいもの栽培方法
3.発生しやすい病害虫
4.まとめ
1.じゃがいもの主な品種・性質

じゃがいもは馬鈴薯(ばれいしょ)、ジャガタライモとも言われ、地下にできる塊茎(かいけい)を食用とする根菜類です。
ここではじゃがいもの主な品種・性質について解説します。
主な品種
じゃがいもの品種の分け方はいろいろありますが自分の分け方は2つ
・「春植え」か「秋植え」
・「ほくほく系」か「しっとり系」
細かく説明していきます。
「春植え」か「秋植え」
春植えと秋植えでは温度・栽培期間など条件が違います。
品種を選ぶうえで気を付けたいポイントは休眠期間。要は芽がでるまでのスピードが早いか遅いか。
※休眠期間が長い⇒芽が出るまで遅い
※休眠期間が短い⇒芽が出るまで早い
春植え:栽培期間が長め。ほぼ全ての品種を栽培することが可能
秋植え:栽培期間が短め。休眠期間が短い品種が向いている。
「ほくほく系」か「しっとり系」
収穫したじゃがいもをどんな料理に使うかという話で、下記のように分けられてる
ほくほく系(紛粉系):ポテトサラダやコロッケなどに向いてる。食べたらほくほくしてる。
しっとり系(粘質系):カレーやシチューなど煮物に向いてる。煮崩れをおこしにくい品種。
最近では「ほくほく系」と「しっとり系」の両方を兼ね備えた品種もでてきています。
主な品種名
【春植え、ほくほく系】男爵薯、とうや、キタアカリ など
【春植え、しっとり系】メークイン、ニシユタカ、シンシア など
【秋植え、ほくほく系】デジマ、普賢丸、キタアカリ など
【秋植え、しっとり系】ニシユタカ、インカのめざめ など
主な性質
・涼しい気候を好み、高温下、低温下では生長しない。(生長温度:15~25℃)
・日当たりの良い、高照度を好む
・過湿に弱く、排水性がよい土を好む。
・種イモから育てるのが一般的
・春植えと秋植えで1年間に2回作れる
・貯蔵性が高い。
・植付けから収穫まで3ヵ月程度。栽培が比較的簡単で育てやすい作物
2.じゃがいもの栽培方法

具体的なじゃがいもの栽培方法を解説していきます。
ここでは、下記項目を解説します
1)土づくり
2)植えつけ
3)管理(水やり、芽かき、追肥、花の扱い)
4)収穫目安・収穫方法・保存方法
1)土づくり
【肥料タイプ】先行逃げ切り型
【適正pH】5.0 ~ 6.5
ここでは土づくりのポイントを解説します。
ポイント
・日当たりがよく、水はけの良い場所にする。
・畝幅は1条なら60~70cm程度、2条なら90~120cm程度
・畝の高さは10cm程度
・肥料タイプは「先行逃げ切り型」。基肥を主体に、全層施肥。後半からは窒素をとくに効かせなくてもよい。
・基肥(完熟堆肥や化成肥料など)は2週間前には施す。(遅くとも1週間前には施す)
・pHに応じて石灰などを散布
➤畝の中央に溝を掘って(深さ15cm程度)基肥・石灰等を入れる
※肥料タイプについては下記で解説しています
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【参考】プランターの場合
じゃがいもは土の中でイモが肥大するため、深さ30cm以上ある深底タイプのプランターがオススメ
小さいプランターしかない場合は、イモのサイズが小さくなってしまうため、違う品種の作物を栽培した方が良いです。
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2)植えつけ
【種まき頃】
(春まき)2月中旬~3月末頃
(秋まき)8月中旬~9月中旬頃
【株間】30cm程度
【条間】45cm程度(1穴に3~5穴程度)
【発芽温度】15~20℃
・種イモから育てるのが一般的
・小さめの種イモはそのまま植えつける
・大きい種イモは30〜50gに切り分ける(縦に2〜4個)。各部位に芽が1~2ヶ所以上は残るようにする。
➤切り分けた種イモは風通しのよい日陰で、2〜3日切り口を乾かせてから植えつける。
➤乾かす際に、切り口に草木灰をつけると病気になりにくくなる。
一般的に種イモが大きいほど収穫量は多くなりますが、50g以上のイモはそれ以上大きくても収穫量は増えません。
そのため、小分けにしても収穫量を増やします!
・種イモを30cm間隔に並べ、覆土する。
➤覆土は10cm程度。厚くし過ぎると芽が出にくくなるので要注意
・切り口を上向きにするか下向きにするかは賛否両論。違いは下記のとおり
➤初めての人は切り口が上向きがオススメ。何回か経験している人には切り口下向きがオススメ。

豆知識
植えつける1ヵ月ほど前から種イモに直射日光を当てて、浴光育芽(よっこういくが)という技術があります。
丈夫な芽が育つと言われており、慣れてきたら、ぜひ取り入れたい技術の1つ。
3)管理(水やり、芽かき、追肥、花の扱い)
続いて、管理方法です。
ここでは下記4点について解説していきます。
①水やり
②芽かき
③追肥
④花の扱い
①水やり
じゃがいもは過湿に弱く、排水性がよい土を好みます。
そのため、基本水やりは不要。自然の雨に任せておいてOKです。
※過度な水やりは種イモが腐る原因になります。
夏場に乾燥しすぎていたら水やりする程度で十分です
②芽かき
草丈が10cm程度になったら、勢いのよい芽を2~3本残して、他の芽を引き抜きます。
※芽かきをしないとひとつひとつのイモが小さくなってしまいます。
※芽かきを行う際は、種イモを動かさないように、しっかりと押さえながら行う
芽かき完了後は芽の穴をふさぐように土寄せも併せて行う。
③追肥・土寄せ
じゃがいもは追肥と土寄せを同じタイミングで行います。
基本の回数は2回。もちろんそれ以上やってもよいです。
イモの肥大期にカリを施肥すると、良質のデンプンができて美味しくなるため、
追肥には「草木灰」などを入れると良いです。
1回目の追肥・土寄せ
芽かきを行うタイミングに合わせて行う。(草丈が10cm程度のとき)
株元から少し離して肥料をばらまき、周りの土を株元に寄せる。
2回目の追肥・土寄せ
じゃがいもの蕾がついたころに行う。
1回目の同様に追肥と土寄せをおこなう。
じゃがいもは2回土寄せをします。「土寄せするときになって土がない!」なんでことにならないために
土寄せすることを踏まえた、畝を作りましょう!
④花の扱い

じゃがいもの花を摘むべきか?それとも摘まないべきか?
花を摘む場合と摘まない場合でメリット・デメリットを整理しました。

結論として、正直どちらでも良いです。
花を摘むことでイモが肥大化すると言われていますが、本当にわずかに大きくなる程度です。
数が多いほど花を摘む手間が増えるので、じゃがいもの数と相談しながら決めるのがいいのかもしれません。
4)収穫目安・収穫方法・保存方法
じゃがいもは地中部で肥大化するため、収穫時期を判断するのが少し難しいです。
ここでは収穫目安・収穫方法・保存方法について解説します。
収穫目安
・収穫の目安は花が咲き終わり、下葉が黄色く枯れ始めたころ
・日数としては植え付け後、90~100日程度
➤春植えの場合は梅雨に入る前(長雨にさらされる前)に収穫した方がよい
収穫方法
・ジャガイモは雨天や雨上がりに収穫すると腐りやすいので、晴天が続いて土が乾いているときに掘り上げる。
➤雨上がりなど土が湿っている時に収穫したイモは腐りやすくなる。
・イモを傷つけないように三つ鍬などを使用して掘り上げる
➤イモが傷つかないか不安な場合は、株元から30cmほど離れたところからスコップで少しずつ掘り上げると、より傷つきにくく収穫できる。
保存方法
・掘ったイモは風通しのよい日陰で乾かし、土を落としてから、保存します。
・通気性のよい袋や段ボール・コンテナ等に入れ、冷暗所て保存すると長持ちします
※ニンジンと一緒に貯蔵すると、両方とも味がおちてしまうので避ける
※参考までに保存にふさわしい最適温度は5℃前後
3.発生しやすい病害虫

発生しやすい病害虫について解説します。
病気
主な病気
・そうか病:表面に褐色のかさぶたのような斑点ができる。アルカリ性の土や多湿において発生しやすい
・モザイク病:葉に濃淡がついてモザイク状になったり葉が縮れたりする。
・疫病:初めは葉に灰緑色、水浸状の病斑が現われ、やがて急速に広がり、霜のようなカビが生じる。
害虫
主な害虫
・ニジュウヤホシテントウ:いわゆるテントウムシダマシ。幼虫・成虫も葉や実を食害し、被害を受けた後は波模様が残る。害虫を見つけしだい、捕らえて処分
・ヨトウムシ:幼虫が昼間は土の中に潜み、夜間活動して葉を食害する。被害を見つけたら根元の土を掘り、探して処分するか、夜間活動しているところを捕らえて処分
4.まとめ

今回はじゃがいもの育て方・栽培方法について解説しました。
今回解説したことをまとめると
- 種イモから育てるのが一般的
- 基本水やりは不要。自然の雨に任せておけばOK
- 芽かきに合わせて、追肥・土寄せを行う
- 土寄せは基本2回
- 収穫の目安は花が咲き終わり、下葉が黄色く枯れ始めたころ
じゃがいもはポイントさえおさえれば、初心者でもたくさん収穫することができます。
今回の記事を参考に、ぜひチャレンジしてみましょう!
今回は以上で終わりです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
他にもこんなことが知りたいなどあればお問い合わせからご連絡ください。








